株などによる不労所得 > 生活支出
これを達成できれば、経済的自由の達成。
今回の記事は、
「目標金額に達成した後、どのようにして資産を取り崩すのか」
「出口戦略の落とし穴とその対策」
についてお話しします。
インデックス投資の出口戦略
4%ルール
4%ルールとは、インデックス投資における有名な出口戦略であり、2つの種類があります。
- 定額取り崩し:目標金額達成時の資産 × 4%を定額で取り崩し続ける
- 定率取り崩し:毎年の資産残高 × 4%を定率で取り崩し続ける
なぜ4%かというと、株式の成長率7%やインフレ率2〜3%と考えると、だいたい4%取り崩しても資産は減りにくいって話でした。
▼2つの取り崩し方法
①定額取り崩し
仮)60歳で目標金額に到達した時、7,000万円の資産を持っている場合
- 1年目の取り崩し額:7,000万円 × 4% = 280万円
- 2年目の取り崩し額:同じ
- 3年目の取り崩し額:同じ
資産の増減に関わらず、毎年必ず280万円(定額)で取り崩す戦略です。
7000万円 ÷ 280万円=25年で財産つきそうって思われるかもしれませんが、アメリカの研究結果では、運用しながら取り崩すと資産は25年以上も長持ちすることが明らかになっています。
(「トリニティ・スタディ」という研究)
25年で尽きるどころか、むしろ増える可能性が高いんです。
②定率取り崩し
仮)同じく、60歳で目標金額に到達した時、7,000万円の資産を持っている場合
株価は毎日変動しますよね。
2年目の取り崩し時に、上昇相場であれば資産は増えてますし、
3年目の取り崩し時に、下落相場であれば資産は減ります。
- 1年目の取り崩し額:7,000万円 × 4% = 280万円
- 2年目の取り崩し額:8000万円(株価上昇) × 4% = 320万円
- 3年目の取り崩し額:4,000万円(株価暴落) × 4% = 160万円
資産の増減に関わらず、毎年必ず4%(定率)で取り崩す戦略です。
(インデックス投資の名著「ウォール街のランダムウォーカー」で紹介されている方法)
出口戦略の落とし穴と対策
さて、ここからが本題です。
4%ルールには、2つの落とし穴があります。
4%ルールは「机上の空論」とは聞いたことがある。
いったいどんな落とし穴が・・
【落とし穴 ①】
まず1つ目。
4%取り崩しルールの理論的な問題です。
4%ルールは米国でのデータに基づいているので、そもそも日本に当てはまるのかって話です。
米国と日本の前提条件の違いは下記と通り↓
- 米国株と米国債券が前提
(研究データは株式100%ではなく、米国株式 : 米国債券 = 50 : 50 のポートフォリオ) - 米国のインフレ率が考慮されている
- 税率は考慮されていない (日本:配当金、売った時の税金は20%)
- 為替の考慮がない (円とドル)
これが1つ目の落とし穴です。
【落とし穴 ②】
2つ目の落とし穴。
それは、「もったいなくて取り崩せない」という心理的な落とし穴です。
そのような心理に陥りやすい理由は2つあります。
理由① インデックス投資家は倹約家が多いから
名著「DIE WITH ZERO」で紹介されたデータによると、裕福な人は退職時の資産の88%を残して亡くなっています。多くの人が死ぬまでお金を使い切らずに亡くなっているのです。
インデックス投資家は、
「貯金が得意」で「倹約が苦ではない」という方が多いはず。
そのような方が、30年もの間コツコツ増やした資産を、そう簡単に取り崩せるでしょうか。
いざ、ゴール(目標金額)に到達しても、もったいなくて使えず、さらに資産を増やそうとする呪いにかかってしまうのです。
理由② 人間は右肩下がりの状況に耐えられない生き物だから
例えば、
このような右肩上がりのグラフを描く時は幸せを感じやすく、
このような横ばいもしくは下降のグラフを描くときは不満を感じやすい。
こういう心理があるそうです。
確かに自分にも当てはまります・・
もう人間の本能なんでしょうね。受け入れましょう!笑
この心理を資産運用に当てはめると、
「増やす段階は楽しいけど、取り崩す段階では幸せを感じにくくなってしまう」
ということです。
【対策】
落とし穴に対する対策です。
将来、「4%取り崩しルール」がうまく機能しないときどうすればいいのか。
【理論的な対策】3つ
- 株価暴落に備えて生活防衛資金を多めにもっておく
- 株価低下時では取り崩し率を下げる
- 株価低下時では生活費を働いて稼ぐ
暴落時に備えて、少し厚めにキャッシュ(現金)を持っておいて、
必要とあらば稼ごうというスタイルだね。
【心理面の対策】2つ
こういった心理面に対する対策は、以下の2つです。
- 定率引き落としサービスを利用する
- インデックス投資と高配当株投資の二刀流
(1)毎月引き落としサービスを利用する
毎月の積立設定があるのなら、毎月の引き落とし設定もあります。
毎月定額で積立設定していたときと逆のことをするだけです。
「そもそもFIREを達成するレベルの資産を持っているのなら、思考停止で毎月一定額引き落としすれば?」という考え方になります。
▼引き落としサービスのメリット・デメリットは次の通り
まとまった資産額になる前に4%ルールで取り崩してしまうと、資産形成時間が長くなり効率が悪いです。
複利の恩恵を強く感じるのは資産形成の後半(テールイベント)ですからね。
(2)インデックス投資と高配当株投資の二刀流でいく
次にオススメなのが、インデックス投資と高配当株投資の二刀流。
「資産の取り崩しにストレスを感じるのなら、取り崩さなくていい仕組みを作る」です。
投資効率を下げてでも、あえて配当金を受け取ります。
そして配当金は自由に使います。
▼二刀流のメリット・デメリットは次の通り
配当金は全部使ってもいいし、再投資してもOK。
僕は配当金は全部使うことをおすすめします^_^
まとめ
まとめます。
インデックス投資の出口戦略(4%ルール)は2つ
- 定額取り崩し
- 定率取り崩し
▼僕の思う取り崩しのイメージはこんな感じ
- 定額取り崩し
- 思考停止して、マネーマシンとして毎月定額で引き落とす
- 定率取り崩し
- その年々の株価の変動をみて、毎年定率で引き落とす
いずれにしても資産形成後(FIRE後)の贅沢な悩みですよね。
どちらが正解とかはないので、自分に合った方法を選択しましょう^ ^
▼出口戦略の落とし穴はこちら
- 「4%ルール」は米国データに基づいているため、そもそも日本に当てはまるのかという理論的問題
- 税率が異なる
- 為替リスクが異なる
- ポートフォリオが異なる etc..
- 多くの資産があっても、結局もったいなくて取り崩せない心理的問題
▼その対策がこちら(4%ルールがうまく機能しないのなら・・)
- 理論的問題
- 株価暴落に備えて生活防衛資金を多めにもっておく
- 株価低下時では取り崩し率を下げる
- 株価低下時では生活費を働いて稼ぐ
- 心理的問題
- 毎月引き落としサービスを利用する
- インデックス投資と高配当株投資の二刀流でいく
理論的問題については、
心理的問題については、
僕はやっぱり「心理面に強い」二刀流をおすすめしています。
(自動引き落としはできそうにない・・)
▼僕が二刀流をオススメする理由
- 資産形成時期(FIRE前)から利用できる
- インデックス投資で資産の最大化を狙い、高配当株投資でキャッシュフローを得られる
- 優良な日本の高配当銘柄や、米国高配当ETFならばインカムゲインとキャピタルゲインどちらも狙うことも可能
僕はこれまでインデックス1本でやってきたけど、いろんな問題があるんだな。
少し不安になってきた・・
たとえ細かな問題があったとしても、インデックス投資が投資の最適解である事実は変わりません^_^
資産形成時期(FIRE前)の僕たちは、これまで通り淡々と積立投資するだけです。
心理的問題については、いかに上手にお金を使うかがポイントになります。
そのために高配当株投資をして、配当金を自由に使っていくのがバランスがいいと思っています。
以上です!
この記事が少しでもみなさんの資産形成のヒントになれば嬉しいです。
これからも一緒に成長していきましょう〜
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